午後6時過ぎのチャオプラヤ川と暁の寺

bangkok city sunset Chao Phraya River

黄昏時のチャオプラヤ川に向かった。

古くは「誰そ彼は(たそかれは)」と夕方薄暗く、少し顔が良く見えなくなってくるくらいの時間。街行く人のスマホの画面が明るく輝きだす時だ。

目的は、10バーツ硬貨に描かれている「ワット・アルン」を対岸から眺めること。

アルンは「暁」という意味で、三島由紀夫の全4巻「春の雪」「奔馬」「暁の寺」「天人五衰」で構成される小説『豊饒の海』の第3巻「暁の寺」に描かれた寺院。日本人の生まれ変わりのタイ王女にまつわる輪廻転生のストーリーである。

「ワット・アルン」は、アユタヤ時代に前身となる寺院が建立された後、トンブリ王朝のタクシン王がエメラルド仏を祀りワット・アルンと名付けた。本堂はラーマⅡ世の建立。台座には王の遺骨が納められている。

「はて」と考えたが、黄昏というのは夕方の時間帯で、「暁」の寺というくらいだから朝方の時間帯に来た方が良かったかもしれない。

河辺に位置するタイ料理レストランに向かい、2階に案内された。
丁度夕暮れ時ということもあり、カップルやファミリー、友人同士など人々が集まり出している。コロナ禍ということもあり外国人は自分以外は見かけない。

周りからはタイ語が聞こえてくる。タイ語の文字は表音文字だ。
インドに起源をもつブラフミー文字をもとに13世紀のスコタイ王朝のときに作られた。
声調文字となっているため、中国語と同じように言葉に抑揚が大きく、トーンの上下によって意味が変わる。中国語の標準語がわかる人にとっては広東語のようにも聞こえる。

タイでは2011年に大きな洪水が起きた。水は首都バンコクに到達し、バンコク都50区の内、大半の区が浸水した。被害は深刻で、多くの日系企業の工場がストップしたのは記憶に新しい。

チャオプラヤー川は、ナーン川とピン川が交差する地点、ナコーンサワン県で始まる。
チャオプラヤー川流域の県は、バンコクの外、ウタイターニー県、チャイナート県、シンブリー県、アーントーン県とアユタヤ県である。

バンコクを中心とする中央湿地帯では、農業用あるいは運搬用に運河が掘られ、チャオプラヤー・デルタ(三角州)という有数の稲作地帯に発展している。

いま私が眺めているこのチャオプラヤ川の上流には、プミポンダム(Bhumibol)、シリキットダム(Sirikit)、パーサック・チョンラシットダム(Pasak Jolasid)、そしてクワノイバムルンダンダム(Kwae Noi Bamrung Daen)の4つの大きなダムを構えている。

しかしながら、雨期には大量の雨が降り、乾期には水不足になるという、治水がとても難しい土地柄だ。大雨のあとは一時、道路が河に変わることもある。

チャオプラヤ川を望むレストランの席で、ミントの香りが強く、青と緑でカラフルなモクテルを傾けながら、自然の力に思いを馳せつつ、バンコクの治水について考えた。

Grabで検索して帰り道のタクシーは198THB。道端で拾うのに比べれば決して安くはないが、安全安心、そして地名や場所を伝える煩雑さからは解消される。テクノロジーって素晴らしい。気持ちよく乗れてWin-Winである。アプリとしての操作性はあまりよくない。

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