コロナ禍により海外に気軽に出張に出かけることが困難になる中で、海外現地の調査会社が各業界の市場詳細を調査した資料を購入することが増えています。
レポート自体は数十万円はする上に、購入前にサンプルとして閲覧することができるのは目次や冒頭の数ページだけだったりするため、目的に対して本当に役に立つのか否かを確認することができない中で購入の意思決定をする必要があります。前年度に購入していてその有効性が分かっているのであれば同じレポートの最新版ということで経年で情報の変化を追うことができますが、そうでない場合はせっかくの投資が無駄になってしまう場合があります。もちろんレポートの一部分だけを購入することができるよう融通を聞かせてくれる場合もありますが、コスト的には半額以下にはならないことが多いと思います。
調査レポートへの投資を無駄にしないためにはどうすれば良いのでしょうか。
今回は、中小企業が「海外調査レポートを探す場合に意識すべきこと」について紹介していきます。
具体的には、
・海外調査レポートの種類
・よく使われている調査レポートサービス
について解説します。
海外進出を検討している中小中堅企業は、必要な情報を素早く手に入れて、確度の高い海外展開によって、大きなビジネスチャンスを獲得しましょう。
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海外調査レポートの種類
(1)マクロ環境の分析(Macro)
まずその国のマクロ環境がどのようになっているのかを把握する必要があります。一般的にはPESTフレームワークが使用されますが、政治(Politics)、経済(Economics)、社会(Society)、テクノロジー(Technology)といった各種観点によりマクロの視点でその国、その市場の実情を捉えることが必要です。
現地で活用可能な設備が何なのか、どのような技術が足りないのかについて把握することで、他社と差別化する上で不可欠なコアテクノロジーを見出すことが必要です。
(2)顧客の分析(Customer)
海外調査レポートにおいて得られる情報は、まずは海外市場における顧客の分析です。
市場のサイズだけでなく、どのような顧客層がどの程度、市場に存在しているかについて分析することになります。これらのデータをパラメータとして、目指すべき目標を設定することができるようになります。
(3)競合の分析(Competior)
競合他社の分析は、企業が海外進出する上で必ず考慮すべきことです。他社と比べて自社の強みは何なのか、といったことを認識することで、より研ぎ澄まされた生産体制、マーケティング展開、組織体制などをプランニングすることができます。
(4)パートナーの分析(Partner)
海外進出をする際は、自社の力だけでは現地の独特の商慣習を踏まえた戦略を打ち立てることができません。流通や生産を含めて現地の実情に精通した現地パートナー企業を見つける必要があります。
(5)法規制・リスクの分析(Regulation)
海外の法律は当然のことながら、日本のものとは異なります。また様々なリスクを合わせて検討することが必要です。
海外調査を行うときは、「マクロ環境」「顧客」「競合」「パートナー」「法規制・リスク」の5つの視点について、どのような手法で調査していくか設計していく必要があります。5つの視点から得られたことについて総合的に判断することで、海外進出をすべきかどうかが、より鮮明に見えてきます。
よく使われている調査レポートサービス
まずは調査レポートサービスの種類をみていきましょう。
1. 公的機関による調査レポート
日本貿易振興機構(JETRO): https://www.jetro.go.jp/world/reports/
2. 海外調査会社のレポートの販売仲介
グローバルインフォメーション(GII): https://www.gii.co.jp/
SPI:https://www.spi-information.com/
3. 国内調査会社の国内調査レポート
矢野経済研究所: https://www.yano.co.jp/
富士経済: https://www.fuji-keizai.co.jp/
4. 国内調査会社の海外調査レポート
ネオマーケティング: https://neo-m.jp/research-service/oversea/
5. 国内調査会社による海外調査
マクロミル: https://www.macromill.com/service/global_research/
東京商工リサーチ: https://www.tsr-net.co.jp/service/market_research/pte_overseas/index.html
インテージ: https://www.intage.co.jp/
6. クラウド情報サービス
経済情報プラットフォームSPEEDA: https://jp.ub-speeda.com/
7. 知見者へのヒアリング
ビザスク: https://visasq.co.jp/
8. コンサルティングサービス
9. 自ら調査
国立国会図書館: https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/post-1024.php
日経テレコン: http://t21.nikkei.co.jp/g3/CMN0F11.do
様々な調査手段がありますが、その特性に合わせてうまく組み合わせて活用することが必要です。それぞれ単体だけではすべての必要な情報を集めることはできないため、海外進出を検討するには、これら以外にも様々な関係者が関わってきます。
おわりに
この記事では海外進出を検討している中小企業の担当者の方向けに、「海外調査レポートを探す場合に意識すべきこと」について解説しました。日本と海外では言語が異なるのはもちろんのこと、文化や商習慣などが大きく異なります。
海外進出を検討する際には必ずと言ってよいほど必要になるのが調査レポートですが、海外の調査会社の調査結果をそのまま鵜呑みにするのではなく、適切に情報を取捨選択して、追加的な裏付け調査も交えながら正しく解釈を行うことで、海外進出検討の精度を高めることができるのではないでしょうか。
私どもは、英語、中国語を始めとした海外の複数言語に通じたリサーチ・コンサルティングのプロフェッショナルによって、海外調査レポートを購入するだけでなく、単体価格✖ 30%にて、その裏付けや解釈まで含む周辺コンサルティングサービスをセットにした「海外調査レポートプラス(+)」を提供しています。海外調査レポートを単に購入しただけでは、情報をフル活用できない、といった問題を解決することができます。
現地の現地の実情にあった適切な海外進出計画を組み立てて、大きなビジネス機会を獲得しましょう。
参考:
https://gallery.intage.co.jp/global-research/