中小企業が借入でなく出資金で更なる事業成長を目指すためのファイナンスについて

中小企業の資金調達方法としては、銀行等からの借入が中心となりますが、他の手段としていま注目すべきなのが「エクイティファイナンス」です。エクイティ(Equity)というのはつまり株式等により調達され返済義務のない資金です。

中小企業によるエクイティ・ファイナンス活用の類型としては資金の流れの観点からは大きく2つに分かれます。

① 狭義のエクイティ・ファイナンス
 (中小企業に直接的に資金供給)

② M&A
 (中小企業に直接的には資金が供給されないがエクイティ調達を活用した成長手段)

そして、①は取組内容に応じてさらに2つの種類に分けることができます。
事業承継等を契機に事業転換を図るための資金調達(ベンチャーキャピタル等)、規模拡大や事業再構築等を図るための資金調達(グロースキャピタル等)

各類型における中小企業事例

① 株式会社ミライエ(島根県、1972年設立)
事業
: 有機廃棄物処理装置の開発・販売、堆肥化施設等の設計、堆肥化技術の共同開発等
調達検討背景:
2017年、脱臭装置「ミライエ生物脱臭システム」を開発。同装置をもとに販路拡大等につなげるため資金調達が必要
エクイティファイナンスによる資金調達までの経緯:
約50のVCに出資を募ったが、販路を拡大するための事業計画が不十分と評価されて全敗。地方発スタートアップ創出を支援する「島根経洗塾」に参加、オンライン形式のマンツーマン支援を受け、事業計画の磨上げ等を実施。その後、ピッチラン・コンテスト「スタ★アトピッチJapan」で準グランプリを受賞したことで、業務提携や第三者割当増資による資金調圧を実現

② 三生医薬株式会社(静岡県、1993年)
事業: 健康食品、医薬品、一般食品、雑貨等の企画・開発・受託製造等。健康食品・医薬品OEM分野のリーディングカンパニー
M&A検討背景:
創業者には後継者がおらず事業承継が問題。また、経営課題として、健康食品や医薬品等に関するユーザーニーズの多様化や高度化、グローバル展開等、取引先の様々な要望に応えして行くため、更なる成長戦略及び経営体制の刷新を実現して行く必要
M&A実施までの経緯:
2014年8月、米国投資ファンドである「カーライルグループ」への全株式の売却を決断。カーライルグループが主導する経営にバトンを渡し、創業者自身が願っていた海外展開を加速し、さらなる成長を遂げる道を選択。その後、東和薬品の100%子会社として運営

中小企業が更なる成長を目指すために

日本の中小企業には競争力がある技術や商品をもっているものの、本来資金があれば可能となるような事業成長が達成できていない企業が多くあるように思います。成長資金があれば例えば海外に新たな販路を求めることもできるのに、折角の事業機会を逸しているのは残念なことです。

中小企業が自己資金や借入金だけに頼らず、自らが新たにスタートアップ企業のように成長を求めていく動きが今後日本国内で高まっていくと考えています。
その際には、投資家に対して事業戦略や販促計画を提示していく必要があると思いますが、上場企業のように経営成績や事業計画の開示になれていない中小企業にとってはハードルが高いプロセスだと思います。
中小企業もそういった外部へのアピールの仕方を身に付けていくことが重要になってくるのではないでしょうか。

参考:
経産省「中小企業におけるエクイティ・ファイナンス活用事例集」

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