メタバースとは何か ~メタバースが創る未来像を探る~

Facebookが「Meta」と社名を変えて以来、新しい概念「メタバース」が急速に様々なメディアで取り上げられています。

「メタバース」という言葉は、1992年にニールステファンソン(Neal Stephenson)が上梓した書籍「Snow Crash」に出てきます。しかし映画「Tron」に代表されるように、バーチャルシミュレーションの世界で人々が交流できるというアイデア自体は1990年代より前に既にありました。

テクノロジーが次第に発展したことで、バーチャルリアリティ体験が高度なものに進化してきました。

メタバースとは何か、何ができるのか、そしてどのような応用事例があるのか。
本稿では、今注目を集めている「メタバース」について、その概要を事例を交えて紹介します。

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メタバースとは何か、何ができるのか

「メタバース」は簡単に言うと、永続的(Persistent)かつ没入的(Immersive)な、3次元の仮想空間におけるあらゆるデジタル経験のことを指します。現実世界における体験と対比されるものです。「超越」を表す「メタ」と「宇宙」の意の「ユニバース」を合わせた造語です。

メタバースにおいては、「Play」「Work」「Connect」「Buy」「Sell」「Create」といった現実世界では普通に行われているような行動を仮想空間の中であたかも現実のように行うことができます。これまでもゲームの中でのように個々のバーチャル空間・世界の中ではそのような行為をすることができましたが、この概念は、より本質的かつ従来よりも広範囲において適用されます。具体的には美術品の展示を行ったり、ロックコンサートに参加したり、サッカーの試合を鑑賞したりといったことができるようになります。

既存の仮想空間の具体例としては、話題になったNintendo Switch「あつまれ どうぶつの森」のようなオープンワールドゲームや、過去に話題となった「セカンドライフ」などが挙げられます。双方ともに、多くの人とゲームの中でコミュニケーションを行うことが可能で、その世界だけで使えるコインやアイテムのやりとりができる空間です。
メタバースとこれらのゲームや既存の仮想空間との違いは、他者も介在すること、および様々な仮想空間を超越する共通の土台が生まれつつあるということです。

メタバースは、現実世界と並行して存在かつリンクしながら、自由に行き来することができるパラレルワールドとも見ることができます。

メタバースがもたらす可能性

ビジネスにおいても、バーチャルオフィス、リモート会議、セミナー開催などがメタバースを通じて行うことができます。また、アバターを着せ替えるためのファッションアイテムを販売したり、土地を売買したりといった商業活動ができるため、ビジネス上の大きなメリットとなっています。

メタバースの各種事例およびビジネスモデル

現在存在しているメタバース関連サービスには、メタバースのプラットフォーム(FacebookのHolizon)、ファッションアイテム販売、アバター作成、ゲーム、メタバース事業のコンサルティング等がすでにあります。

ほかにどのようなビジネスモデルがあるでしょうか。
イーサリアムで動くメタバースCryptoVoxels(クリプトボクセル)における事例から見ていきます。同メタバース内では土地やアイテムがNFTとして存在し、イーサリアムで売買可能となっています。

NFTアートの販売
NFT(非代替性トークン)はデジタル証明書として、デジタルデータが唯一無二であることを証明します。
例: 美術商(CryptoVoxels)

Vox販売
物理世界とは異なりメタバースは別の資材から構築されています。
CryptoVoxelsは3Dグリッドにおけるデジタル資産であるvoxelにより構成されています。
例:Vox販売店(Vox Walk)

建築
メタバースにおいて建築サービスを提供する
例: MetaEstate、Voxel Architects

その他に、広告、レンタル、カラオケ、トレーニング、テーマパーク、データサービス、といったビジネスモデルが生まれてくる可能性があります。

CryptoVoxelsは一例ですが、他にもUplandという現実の地図と対応するバーチャルな不動産を売買する分散アプリケーションなど様々なメタバースが存在します。今はまだ個々の空間は分かれているといえますが、今後はそれらが本来の意味でのメタバースとしてつながっていくことも想定されます。

メタバースの今後の展望

メタバースは消費者・企業の双方から見ても、将来の可能性が多分にあります。

(ここではビジネス面でのメタバースの展望を別途まとめます)

おわりに

今後ますます発展していく可能性が高いメタバースにおけるビジネスチャンスを逃さないようにしたいものです。リアルとバーチャルを制するものが、今後のビジネスを制するといえるのではないでしょうか。

参考:
https://hbr.org/2022/01/how-brands-can-enter-the-metaverse
https://www.itpro.co.uk/business-strategy/collaboration/361832/the-business-of-the-metaverse